2018年より淡路島の五色町へ家族で移住し、小さな生活圏での百姓になりたい。

春、野良着

やはり着物が着たい。

衣替え。

 

陽射しが強い。

風吹けど少し動けば

淡路島地中海性気候は

今までの真岡木綿袷の着物では

動きも重い。

体も暑い。

着物の風合いと季節が

しっくりしてない。

 

 

私の大好きな作業衣替えです。

大切な布達をお疲れ様を込めて

丁寧に洗いたたみ、箪笥にしまいます。

毛糸もまた冬までさようなら。

そしていまかといまかと出番を待っていた

布達を少しづつ並べて

これから始まる季節を共にするのです。

やっとこの季節ー。と1番に出す布もあれば

今年も頼みますぞと、20年以上共に

歩んで着た布を出して、時代を想いおこしたり

おセンチになりながら布を触るのです。

あー。植物繊維が大好きだ。

 

そして冬の余暇にちくちくしといた

大正時代の祖母の単衣のウール着物。

おばあちゃんの運針、着物の仕立て方を

見ながら着物を解いていると、

会ったことのない人に少しだけ

会えた気がする不思議な時間を味わう事が出来ます。

 

こんなに優しい気持ちにさせてくれる着物を愛でながら

手元はジョキジョキ。ちくちく。

リメイクは潔さ。

ジョキジョキ。ちくちく。

そうそう。

動きは上下左右激しいのよ。

 

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完成。

 

これからの季節帯もね。

今までの綿帯でも良い。

着物ではレギュラー落ちした夏の博多帯を

野良着に使っても良い。

 

結局使って作業し続けないとわからない。

 

京都西陣の帯屋でバイトしてた時の

ノートを見ながら作ってみよう。

帯の手縫いの作業工程をみっちり仕込まれた。

 

現場ではいろんな作業工程の人達が黙々と作業を

こなしている。

私の作業工程は帯と帯芯を手縫いで縫い付ける事。

 

名古屋帯袋帯?細帯?季節は?

金糸銀糸は?耳は?界切り線は?など帯の種別によって

少しずつ縫い方をかえる。

そして大事なのは帯は結ぶものだから糸を遊ばせて縫う事。

しかし柄がずれないように縫う事。

3メートルから4メートルの布を

シュルシュル手繰りながらどんどん縫う。

一番大切なのは1本30分以内で縫い上げる事。

上下縫うから最低でも6メートル位はある。

やればやるだけ早くなるとか。

歩合制だから気合い入れるんやで。とか。

時計をそばに置いてタイムをはかる事。とか。

さらには内職用に2日分で5,6本の帯を

もたせてくれる。

タグをみると数百万の帯ばかり。

タイム縮めてプレッシャーも与えてくれてスキルアップ

はすぐそこよ☆と。

あぁ。

ただ感じるのは縫いながら頭に血が上っていく。

あぁぁ。

スピードアップすればするほど苦しい。

 

ヨガの講師はひとまず置いて、

とりあえず母ちゃんの社会復帰だ。

とはいいつつパパは過保護送迎運転手。

子供達は泣きながら送迎についてくる。

家族がこんなに応援してくれてる。

菊一文字の糸切りバサミも新調してしもた。

 

適材適所間違えすぎた。

家族、職場の皆様。

長続き出来ずぺこりでした。

 

それにしても和裁業界侵入。

久々の違う畑は楽しかった。

そして職人芸までとは行かずとも縫い方教えてもらえた。

むふ。

 

針に糸を通すと何かが始まる。

余暇のちくちくは私にふふふをもたらしてくれる。

そして何よりこれからの私の野良作業に心の彩りを与えてくれる。