2018年より淡路島の五色町へ家族で移住し、小さな生活圏での百姓になりたい。

淡路島 移住 1年目で見えてきたこと。

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明石海峡大橋の真下を舟でくぐって帰京する。

岩屋(淡路島)から明石(本州)フェリーは片道500円。

明石から京都の烏丸まで1時間36分で片道1010円。格安チケットで850円くらい。

舟で島を出発すると、自分が島暮らししてる事を実感する。

 

淡路島は約13万人が暮らす大きな島なので、

生活の必需品は都会と同じ価格で大型量販店で購入できるし

病院関係も困らない。子供医療費無料は大変助かる。

神戸市の有効求人倍率は1.3倍で兵庫県は1.45倍、

淡路島の洲本市は1.96倍と仕事が豊富にある。

冬季を4年過ごした、人口200人の北大東島とは大違いだ。

北大東も好きやで。

 

島の全体像が見え始めた。

有機農業や古民家が好きな移住者目線での淡路島。

 

出会った移住者の話しをまとめると西海岸の

五色町を中心に一宮から慶野松原までの地域が人気がある。

古民家の空き家はいっぱいあると地元の人達から聞くけど

ネット不動産屋や空き家バンクなどには載っていない。

内装は古くても、すぐに住める状態の古民家は500万円前後が相場な気がする。

 

五色町は、都志、鳥飼、鮎原、広石、堺の5つの地区に分かれて

各地区に保育園、小学校があり、中学校は一つにまとまる。

五色中学校の生徒数は277名(2018年)。2013年は349名なので年々減っている。

海沿いをドライブしているだけでは気付かないが、

内陸部の立派な図書館のある鮎原を中心に中山間地の農家が広がり、

本葺瓦の古民家群が点在している

 

本葺瓦は主に神社仏閣に使用される丸瓦と平瓦を組み合わせた幾何学模様で

重厚で堅牢な伝統建築様式。

淡路島の古民家の最大の特徴である。

淡路島は日本の瓦の3大産地であるが故、この建築様式が普通なのだ。

地元の人達にとっては当たり前の建物なので、その価値が普通としか言われないが

日本の中で本葺瓦の古民家群は淡路島でしか見た事ないし

瓦の産地でしか建てられないと思う。

半年間暮らした中国の雲南省世界遺産の街 麗江でも普通だったが。

ワシはこれに惚れた。

京都のお寺さんに住んでる様な重厚な雰囲気があり、重たい屋根を支えるため

梁は立派な太い松が何本も重なり、大工さんの技術の高さが伺える。

そのために屋根裏の空間が広いので真夏の昼間は家の中の方が涼しい。

田園風景の中に同じ建築様式の古民家が群でまとまっているインパクトは強い。

日本遺産になっても不思議ではない伝統の価値観があると思う。

慶野松原は2.5キロに渡る黒松の景勝地

日本の渚100選、白砂青松100選、夕陽100選に選ばれている。

お気に入りのキャンプ場。夏の花火大会は良かったよん。

 

ただ普通の瓦の修繕費の倍どころではないので、瓦の状態は見極めないと破産する。

 

慣行農業が主な農法の中で、10軒ほどの有機農家が点在していると聞く。

その何件かに話を伺うと、ここ10年で少しずつ増えてきたし、

耕作放棄地もたくさんあるので、じっくりと自分に合う畑を探せそうだ。

自然農や無農薬無肥料栽培の野菜をたんまりと子供たちに食べさせて生活できる

この環境を望んでいたし大変ありがたく満足している。

 

でも、自然農や無農薬無肥料栽培は認知度はあるものの

信用はされていないと感じる。ほんまかいな?と言われて終わる。

なので近隣への配慮は欠かせない。

主に草刈り作業、イノシシ対策の電気柵、田主(ため池)の共同管理など必須。

自然農は雑草がボーボーしてないと困るので、

小さな林道の小道奥の使われなくなった放棄地を開墾すると

隣の畑に迷惑をかけにくいと思う。

無農薬無肥料栽培は、トラクターで耕すしマルチを使用するので

比較的周囲に馴染みやすい利点がある。

 

淡路島の中で中山間地が豊かな五色町有機農業に適していると感じる。

瀬戸内海からの海風で運ばれる豊富なミネラルを含んだ土が味の特徴になるのだろう。

冬場の西海岸線は播磨灘の強烈な北西の風で、海岸線を車で走ると

すぐに洗車しなければ塩害にやられるほどである。

何より食物連鎖の頂点の猛禽類の種類が豊富でいっぱいいる。

だからウサギやイタチなどの小動物も多いし、昆虫もいっぱい。

って事はミミズや微生物がいっぱい。有機農業向きの土地と思う。

獣害はイノシシ。鹿猿はほぼいない。でも島には生息してる。

 

山水が豊富ではないのでため池を活用している。

ため池の多さに驚く。ため池が欲しいと人生で初めて思った。

 

 

さて2年目は何が見えてくるのだろう。

旅人が地に足を着け、居を構える。

シータは、

今はラピュタがなぜ滅びたのか 私よくわかる。

ゴンドアの谷の歌にあるもの。

土に根をおろし 風とともに生きよう。

種とともに冬をこえ 鳥とともに春を歌おう

どんな恐ろしい武器を持っても

たくさんのかわいそうなロボットを操っても

土から離れては生きていけないのよ!

 

と言ってたなぁ。